Johannの手帳

このブログは特別じゃないけど、読んでくれているあなたは特別。あなただけに独り占めして欲しい。

<うろ覚えシリーズ>ー桃太郎ー

 

ある所に老夫婦が住んでいた。

しかし、この夫婦、子供がいない。別に悪いことでは無いが、なんだか味気無さを感じる2人だった。

毎日毎日、同じ川と山を見ている。

「飽きた。つまらん。近くにクラブでもあれば遊びに行くというのに、、、」

じいさんは言う。きっと老人会のことだろう。

 

そんなある日、ばあさんがインスタグラムのストーリーを更新した。

「桃が流れているんだがwwww」

じいさんは思った。

「なんか昔話が始まりそうですな」

 

流れついた桃を半分に切り、きっと中から男の子が出てくるはず。

 

案の定出てきた。じいさん思う。直感で「桃太郎」と名付けるべきであると!!

 

ーそれから月日は流れ、桃太郎はすくすく大きくなった。

剣術を習得した桃太郎は、地図を使ってこう言った。

「この辺を制覇したい」

そう、そこは鬼ヶ島と呼ばれる、いかにも悪役いますよ!っていう島。

 

老夫婦の制止を振り切り、さっそく鬼ヶ島に向かう桃太郎。

フットワークの軽さでは誰にも負けない。軽すぎて3mmくらい足が浮き始めてきたのが、最近の悩みである。

 

旅路の途中、仲間を3人手に入れた。猿、犬、キジだ。

最近流行りの「レンタルお供」というものらしい。

8時間で5万円(新規さま限定割引あり)。

ついでに言っておくが、桃太郎に友達はいない。

 

馬車馬のごとく3匹を働かせて海を渡り、一行は鬼ヶ島に着いた。

ただ、この3匹。ばあさんの作った団子欲しさに嫌な顔をしながらもしっかり働く。

普通の時はただの動物なのだが、この団子を見せた瞬間、表情が獣と化す。

何が中に混ざっているのか。

「もしかして、ワンチャン警察案件なんじゃ・・・」

桃太郎はそう思ったがSNSには投稿しなかった。炎上はごめんだ。

 

 

それから、鬼ヶ島の鬼は倒した。

「どんな状況だったかって?

鬼たちが所属する事務所的に、外部に漏らすのはNGらしい。だから教えることはできない」

 

たくさんの褒美をもらい桃太郎一行は帰還することにしたのだが、さらにイベントがもう一つ発生したのだ。

(もう物語終盤だというのに。なんてこったい。)

 

レンタルだったはずの3匹が本当の仲間にして欲しいと言い出したのである。

友達のいない桃太郎は、新しい手下が増えると思い快く引き受けた。

これで、新しい街を制覇しに行ける。

 

そこからは、次にどこをシメるかで話題が持ち切りになっていた。

 

(もう手が疲れてきた。勘弁してほしい。)

 

しかし、問題は最後に起きた。褒美をどう分配するのか。

1人占めしたい桃太郎。こいつよりは頑張ったとお互いに思っている3匹。

 

 

 

 

こうして、方向性の違いで解散した。

あ、褒美はどうしたかって?

 

そりゃもう、全額寄付よ。私の懐にー。